みなさんこんにちは、こんばんは、おはようございます。2回目のご縁となりました、僧侶けんしんです。南国の島も、いよいよ寒くなって参りました。
(島はフグが旬です)
今回のテーマは「そのままにしてること」だそうです。パッと思いついたのは、組み立てる暇がなくてそのままにしてるRGゼータガンダム。買うだけ買ってそのままにしてる絶景版大神。2015夏イベからそのままにしてる「艦これ」のアカウント...。むむむむ。もう少しマシなものはないものか。
(僧侶思考中...)
えーと、今回は僕が仏教を習い始めた頃の話をしましょう。する。
田舎の普通高校に通っていた高校時代。「仏教のことは大学入ってから勉強したらいいやろ」と、テキトーに考えていたあの頃。尋ねれば教えてくださる人は周りに大勢居たのに、推薦入試で12月には合格が決まり、時間はたくさんあったはずなのに。当時の僕が最も熱中したのは、リュウ(Cグルーヴ)のコンボ練習。めくり大足→屈中P→中足→Lv2真空波動拳→強竜巻旋風脚。学校が終わればゲーセン通いの毎日を続けていたのでした。
(「CAPCOMvsSNK2」夢のようなゲームでした)
そして大学進学。初めての講義で見たのは、まるで外国語のような専門用語を喋る教授と、当たり前のようにそれを理解している同期たち。そうか、この連中は関係校出身。高校の頃から「宗教」の時間で勉強してたんだ。自分とはスタートラインがそもそも違う。そしてこのままでは差はどんどん開く。こいつは...こいつは...
「えらいところに来てしまった!」
このままではいかん!と、どうにかここで一念発起。「こんな事を尋ねて申し訳ありません...」と、小さくなりながら教授を追いかけたことでした。
どうにかそれなりに学を修めて帰郷。お寺の仕事をする事になったのですが...仕事をしていると、たまーに出会うんです。斎場の控え室に小さくなって入ってくる門徒さん、ご法事のおとき(食事)の席で恐る恐る声をかけてくる門徒さん、お寺の玄関先でモジモジしている門徒さん...。第一声は、あの時の僕と同じ一言。
「こんな事を尋ねて申し訳ありません...」
学生時代の僕の恥は、当然ながら僕の怠惰が原因。身から出た錆。しかし、勇気を振り絞って坊さんに質問をぶつけてくださった方に、初めて自分の意思でお寺への門をくぐってくださった方に、こんな気持ちを抱かせてはいかん。あの頃の僕みたいに、背中を丸めた姿で帰り道を歩かせてはいかん!
あの頃と比べて、知識や技能は増えました。場数もこなし余裕もできました。しかし、何年勉強しても「えらいところに来てしまった」と感じた、あの時の気持ちはそのままにしておきたい。右も左もわからなかった、あの頃の自分に聞かせるつもりで。不安で仕方なかった、あの頃の自分に安心してもらえるように。なるべくやさしい言葉で、親しみを持って頂けるような仕事をしたいなと思っています。
というわけで、僕のそのままにしてるもの、そのままにしておきたいもの。それは「仏教を習い始めた頃の気持ち」なのでした。
(思い出したついでに鎮守府まで行ってきました。秘書艦の榛名が変わらず迎えてくれました。)
2016.12.27 僧侶けんしん